マツノザイセンチュウの少数感染による潜在感染木の発生

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Occurrence of latent carriers by infection of a small number of <i>Bursaphelenchus xylophilus</i>.

抄録

<p> これまでマツ材線虫病の防除対策としては、感染源の除去を目的とした枯死木の徹底駆除、並びに新たな感染の防止を目的とした健全木への殺虫剤の予防散布が基本とされてきた。しかし、このような防除を徹底してきたにも関わらず被害が拡大した原因として、既往の防除法の網目をかいくぐる潜在感染木の役割が注目されている。しかし、潜在感染木についてはその発生のメカニズムや潜在状態からの発症のメカニズムなど未知の問題が多く残されている。この研究では潜在感染木の発生メカニズムの一つとして線虫の少数感染の実験を行った。基本的な接種単位を50頭という少数に設定し、接種したクロマツ苗木の病徴発現と生理異常の指標としての樹脂分泌量の変化を追跡した。その結果、小数感染の場合、➀発病が遅延し、➁ 発症率も低い。➂ 外部症状(病徴)が発症しない状態で生理異常(樹脂分泌低下)が起こる個体が発生し、潜在感染木化する。④ 少数感染がシーズン末期に起こると、潜在感染木化がより助長される。などの現象が見られた。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763113558528
  • NII論文ID
    130007645194
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_195
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ