中学生を対象とした森林の保水力実験に関する理科の授業実践

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タイトル別名
  • A science class of water holding capacity of forestry in junior high school students

抄録

<p>中学校理科第2分野「気象とその変化」では、雨、雪などの降水現象に関連させて水の循環を扱う。これに関連したトピックとして、雨と森林の密接な関係を取り上げている教科書では、森林の保水力は急激な雨水の流出を抑制する一方、植生がはぎとられた土地では降水により表土が洗い流されることが解説されている。本研究では、中学生に森林の保水力について考察させることを目的とし、田中ら(2016)が考案した簡易散水装置を使用し、2018年11月に中学2年生(1クラス30~32人)を対象とした人工降雨実験(裸地と林地の比較)授業実践を行った。実験装置は、ほとんどが100円ショップで購入できる物品で構成されており、学校で用意しやすい。授業では、教師側で予め実験装置を組み立てておき、演示することで、生徒は実験方法(地表面流の回収や測定)を理解していた。グラウンド(裸地)実験では、繰り返し散水すると地表面流が増加する様子が観察できた。一方林地では、落葉が一面に広がっており、散水したほぼ全量が地面にしみこんだ。生徒は、実験からグラウンド(裸地)と林地の土壌の物理性の違いに気づき、保水力との関係について考察することができた。</p>

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763113597568
  • NII論文ID
    130007645622
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_55
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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