乾燥がドングリの発芽率に与える影響

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タイトル別名
  • The effect of dediccation on the germination rate of acorn

抄録

<p>コナラ属のドングリはアカガシ亜属より乾燥に弱いとされている。堅果の生存および発芽様式の乾燥への応答を、発芽実験により検証した。対象樹種は、コナラ、ミズナラ、クヌギ、アラカシ、シラカシである。ドングリは秋に落下したものを採取し、水選した後、室温で一定の乾燥度(乾燥後の減量/浸水後重量)に達するまで風乾し、経過期間を記録した。乾燥後は低温湿層で4月初めまで貯蔵し、その後野外に播種して発芽を観察した。すべての種で乾燥度が強まると発芽率は低下したが、経過には種間差が見られ、コナラ亜属の2種はアカガシ亜属の2種よりも低下が緩やかだった。乾燥度が40%に近づくと、ほとんどの種で発芽能力が消失した。乾燥の進み具合にも種間差が見られ、コナラ亜属2種およびアラカシに比べ、シラカシやクヌギは乾燥に長期間かかった。以上より コナラ亜属のドングリがアカガシ亜属より乾燥に弱いとは認められなかった。また、クヌギにも冬季・上胚軸休眠中の発根が見られた。秋季の乾燥度の上昇とともに発根率は急速に低下したが、春の発芽率の低下はより緩やかだった。乾燥経験はクヌギの冬季発根を抑制し、春の発根発芽に変える可能性がある。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763114145920
  • NII論文ID
    130007645259
  • DOI
    10.11519/jfsc.130.0_258
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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