大腿骨近位部骨折の周術期におけるフィブリンモノマー複合体と深部静脈血栓症の検討

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抄録

<p>フィブリンモノマー複合体(fibrin monomer complex: FMC)値が静脈血栓塞栓症(venous thrombo-embolism: VTE)の早期スクリーニングに有用との報告が散見される.当院での大腿骨近位部骨折周術期のFMC値,Dダイマー値の推移とVTEの発生状況について調査した.【方法】対象は2017年9月から2018年2月まで当院で手術を行った大腿骨近位部骨折31例(男性12例,女性18例),平均年齢81.8歳である.FMC値(μg/ml)は入院時,術後1・3日目に,Dダイマー値(μg/ml)は入院時・術後1・7日目に測定した.【結果】観察期間内にVTE症例はなかった.FMCの平均値は入院時65.8,術後1日目6.0,Dダイマーの平均値は入院時42.9,術後7日目9.0であった.【考察】今回の調査ではFMC,Dダイマーいずれもこれまでの報告と大きな差はなかった.また観察期間内にVTE症例がなく術後のFMC,Dダイマー値の推移を調査するにとどまった.術前待機時間の短縮が血栓のリスクを減らす上で重要であると考えられるがさらなる調査が必要である.</p>

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