生活機能の自立した高齢者における外出頻度の低下と食事摂取量減少の関連―高齢者の外出頻度低下は身体機能と抑うつ状態とは独立して食事摂取量減少リスクである―

  • 木下 かほり
    国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センター
  • 佐竹 昭介
    国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センター 国立長寿医療研究センター病院
  • 西原 恵司
    国立長寿医療研究センター病院
  • 川嶋 修司
    国立長寿医療研究センター病院
  • 遠藤 英俊
    国立長寿医療研究センター病院 国立長寿医療研究センター研修センター
  • 荒井 秀典
    国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センター 国立長寿医療研究センター病院

書誌事項

タイトル別名
  • A homebound status is related to a reduction of meal intake in older outpatients, independent depressive mood and their physical function
  • セイカツ キノウ ノ ジリツ シタ コウレイシャ ニ オケル ガイシュツ ヒンド ノ テイカ ト ショクジ セッシュリョウ ゲンショウ ノ カンレン : コウレイシャ ノ ガイシュツ ヒンド テイカ ワ シンタイ キノウ ト ヨクウツ ジョウタイ トワ ドクリツ シテ ショクジ セッシュリョウ ゲンショウ リスク デ アル

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説明

<p>目的:外出低下は身体機能や抑うつの影響を受け,いずれも低栄養と関連する.低栄養の早期兆候である食事摂取量減少と外出低下との関連を検討した.方法:老年内科外来を初診で受診した高齢者で認知症あり,要介護認定あり,施設入所中,急性疾患で受診,調査項目に欠損がある者を除外し463名(男性184名,女性279名)を解析した.調査項目は性,年齢,BMI,服薬数,基本チェックリスト,MNA-SFとした.外出週1回未満を外出頻度低下とし,過去3カ月に中等度以上の食事摂取量減少ありを食事摂取量減少とした.外出頻度低下有無で2群に分け調査項目を比較した.目的変数を食事摂取量減少あり,説明変数を外出頻度低下ありとしたロジスティック回帰分析を行った.調整変数は,性,年齢,および,外出頻度低下有無2群間に差を認めた項目で多重共線性のなかった服薬数,基本チェックリストの栄養状態項目得点,口腔機能項目得点,身体機能項目得点,うつ項目得点とした.結果:平均年齢は男性79.6±5.9歳,女性79.9±6.1歳,外出頻度の低下は104名(22.5%).外出頻度低下あり群では外出頻度低下なし群と比べて,高年齢で服薬数が多く,MNA-SF合計点が低く,基本チェックリスト合計点が高かった(すべてp<0.05).ロジスティック回帰分析では性,年齢,服薬数,栄養状態項目得点,口腔機能項目得点で調整後,食事摂取量減少ありに対する外出頻度低下ありのオッズ比2.5,95%信頼区間1.5~4.4,さらに身体機能項目得点およびうつ項目得点で調整後のオッズ比2.0,95%信頼区間1.1~3.6であった.結論:生活機能の自立した高齢者では多変量調整後も外出頻度低下は食事摂取量減少と関連した.食事摂取量減少はエネルギー出納を負に傾け体重を減少させ低栄養をきたす.低栄養の早期予防には日常診療で高齢者の外出頻度に注目することが重要である.</p>

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被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (18)*注記

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