実視連星 ADS 3085 A/B における視線速度の変化

書誌事項

タイトル別名
  • Radial Velocity Variations of ADS 3085 A and B

説明

前主系列星では主系列星よりも連星をなす恒星が多い、といくつかの観測から示唆されている。一方、主系列星では公転周期が数日と極端に短いホットジュピターと呼ばれるガス惑星がいくつも発見されている(e.g., Mayor & Queloz 1995)。現在の主系列星の多くはかつて連星をなしていたこと、前主系列星と主系列星の連星頻度の差とホットジュピターの存在度は相関することが考えられる。我々は、連星形成と惑星形成には関連性があると考える。Toyota et al. (2009) により、連星をなす恒星 ADS 3085 A と ADS 3085 B は視線速度の標準偏差が十分大きいと分かった。この主星と伴星は、それぞれ未知の伴天体が付随するかもしれない。我々は、2007 年 12 月から2009 年 12 月まで、ADS 3085 A と B の視線速度をフォローアップした。視線速度の周期解析から、ADS 3085 A と B それぞれの視線速度は、7.7 日周期と 5.2 日周期で変動する可能性がある。ADS 3085 A と B ともに、彩層活動が活発であること、ヒッパルコスの測光データが変光を示すことから、恒星表面の Cool spot が自転とともに移動していると考えられる。ADS 3085 A では、視線速度と彩層活動が強く相関するので、視線速度変動の起源は恒星の活動にある。ADS 3085 B では、視線速度変動と彩層活動の相関を調べることはできなかったが、視線速度変動が恒星活動に起因する可能性は除去しない。

収録刊行物

  • Stars and Galaxies

    Stars and Galaxies 1 (0), 39-50, 2018

    兵庫県立大学自然・環境科学研究所天文科学センター

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763116083840
  • NII論文ID
    130007620325
  • DOI
    10.32231/starsandgalaxies.1.0_39
  • ISSN
    2434270X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ