陳旧性肘関節後方完全脱臼に対し,創外固定器を併用した観血的脱臼整復術を施行した1例

書誌事項

タイトル別名
  • Treatment of Neglected Elbow Dislocations with External Fixator; A Case Report

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説明

<p> 症例は23歳男性,スノーボードで転倒して受傷し右肘屈曲障害を認めたが受傷から4か月後に近医受診し,陳旧性右肘関節脱臼の診断となった.</p><p> 初診時,肘頭の後方突出を認め,右肘可動域は伸展0°,屈曲45°と制限があり,単純X線で右肘後方脱臼と異所性骨化を認めた.</p><p> 徒手整復不能であり,受傷後7か月に観血的脱臼整復術を施行した.肘関節内部は著明な線維性瘢痕組織と異所性骨化があり,これが脱臼整復阻害因子となっていた.術中は軟部組織等を可及的に縫合し,靱帯再建は行わなかった.術後は創外固定器を設置し,術後3日間は90°ロックとし,その後肘屈曲60~120°で可動域訓練を開始した.術後5週で創外固定器を抜去し,以降は術後8週までfunctional brace装着とした.</p><p> 術後12か月の現在まで肘関節可動域は伸展-35°,屈曲135°で再脱臼なく経過しているが,今後も慎重な経過フォローが必要と考える.</p>

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