灌漑による干ばつ時の穀物生産損失の低減効果とその費用に関する推計

書誌事項

タイトル別名
  • POTENTIAL EFFECT OF IRRIGATION AGAINST GRAIN PRODUCTION LOSS AND ITS COST IN DROUGHT CONDITION

抄録

灌漑は干ばつに対する有効な対策の1つであり, 灌漑による干ばつ時の穀物生産損失への低減とその設備投資費用を全球規模で推定することは,気候変動に対する適切な緩和策と適応策のバランスを議論する上で重要である.本研究では,生産循環カップルモデルを用いて,灌漑による干ばつ時の穀物生産損失のポテンシャル低減効果を全球で評価し,さらに406件の文献を基に構築した費用算定モデルを用いて,灌漑設備投資費用を推定した.モデルで示された灌漑のポテンシャル低減効果はオーストラリアにおいて最も大きく,アメリカでは小さかった.各国の灌漑設備投資費用とGDPとを比較し,灌漑設備導入の実現性を調査したところ,スリナムやモーリタニアでは自国のみで導入可能だが,アルメニアでは灌漑以外の対策を実施する必要があることがわかった.

収録刊行物

参考文献 (10)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ