O-1-B10 人工呼吸器管理中の重症心身障害児(者)に対する機械的咳介助の有効性

DOI
  • 加藤 浩章
    独立行政法人 国立病院機構 西別府病院 リハビリテーション科
  • 田島 諭ゐ奈
    独立行政法人 国立病院機構 西別府病院 リハビリテーション科
  • 田口 志津
    独立行政法人 国立病院機構 西別府病院 リハビリテーション科
  • 大浦 宏樹
    独立行政法人 国立病院機構 西別府病院 リハビリテーション科
  • 舩木 あや
    独立行政法人 国立病院機構 西別府病院 医局 臨床工学技師
  • 和田 将哉
    独立行政法人 国立病院機構 西別府病院 医局 臨床工学技師
  • 阿部 聖人
    独立行政法人 国立病院機構 西別府病院 医局 臨床工学技師
  • 内山 伸一
    独立行政法人 国立病院機構 西別府病院 小児科
  • 後藤 一也
    独立行政法人 国立病院機構 西別府病院 小児科

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抄録

はじめに 機械的咳介助(以下、MI-E)は、排痰効果および肺、胸郭コンプライアンスの改善についてその有効性は広く示されている。今回2015年からMI-Eを積極的に導入し、重症心身障害児(者)の侵襲的陽圧換気患者に対するMI-Eの有効性、問題点について検討した。 対象 気管切開後、人工呼吸器管理になりMI-Eを施行した重症心身害児(者)9例。年齢は1〜37歳。 方法 反復性肺炎、人工呼吸関連肺炎、動的肺コンプライアンスの改善などを目的に、カフアシストE-70®を用いて週3〜5回の頻度で導入。導入開始から1年間、診療録から後方視的に胸郭脊椎変形の有無、カフアシスト®の呼気流速(以下、PCF)、発熱回数と画像所見などのデータを抽出しMI-Eの有効性を検討した。 結果 高度胸郭脊柱変形6例。PCF:160L/min以下7例。MI-E導入後の総発熱回数は12回、頻度が0.1回/月/9例であった。すべての症例で排痰の喀出が容易となり、うち肺炎がすみやかに改善1例。無気肺を伴った肺炎の改善2例。改善徴候なし2例。導入前の肉芽悪化により中止1例。 考察 PCF160L/min以下の症例は、自己排痰は困難であったが、MI-Eによる排痰が有効であり、症状の改善を確認した。一方、改善を認めなかった症例が2例あり、導入開始時点での器質化肺炎、重度脊柱変形を認め、気道クリアランスが充分行えなかった可能性が高く、治療が奏功しなかったと考えている。そのため、MI-Eの導入時期についても検討が必要である。1例は肉芽が悪化し導入中止、気管支鏡による定期的な気道病変評価も必要と考えた。

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