O-1-A15 計画的短期入院が在宅療養支援に有効と考えられた先天性中枢性低換気症候群の2例

  • 寺田 明佳
    社会医療法人愛仁会 愛仁会リハビリテーション病院 リハビリテーション科 小児科
  • 李 容桂
    社会医療法人愛仁会 愛仁会リハビリテーション病院 リハビリテーション科 小児科
  • 和田 佳子
    社会医療法人愛仁会 愛仁会リハビリテーション病院 リハビリテーション科 小児科
  • 四本 由郁
    社会医療法人愛仁会 高槻病院 小児科

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はじめに 先天性中枢性低換気症候群(以下、CCHS)は、呼吸の調節と自律神経系の障害を特徴とする疾患である。重度の睡眠時無呼吸が主な症状で、多くは出生直後より発症し気管切開を施行、生涯人工呼吸器管理を要する。 当院では重症心身障がい児を対象に、医療型短期入院を受け入れている。今回急性期病院と連携した計画的短期入院が安全な在宅生活に寄与したと考えられたCCHS症例を経験したので報告する。 症例1 4歳男児。終日呼吸器管理を要し日齢38で気管切開、生後9カ月より急性期病院にて自宅退院練習を開始、急性悪化や家庭の疲労等、早期の生活構築が困難であり、1歳1カ月時に当院転院。1週間程度の短期入院を月2回から開始した。その後の2年間で医療的ケアの程度が下がり急性期入院も減少、月あたりの入院回数、日数とも徐々に減少し、呼吸器装着は睡眠時のみ、短期入院は2-3カ月に1回4-5日ペースとなった。現在は保育所通園を開始している。 症例2 9歳男児。5カ月で気管切開、7カ月で巨大結腸症根治術を施行、重度精神発達障害、自閉スペクトラムを合併、在宅療養中であった。5歳時、母の癌加療のため当院に緊急入院し、その後3年間退院困難となった。試験外泊を経て8歳時、計画的短期入院に移行した。9日程度月2回ペースから徐々に減少、1年間で急性悪化はなく、短期入院は月1回6日ペースとなった。現在は支援学校の訪問級から地域の普通学校支援級へ転校し通学を継続している。 考察 CCHSの生命予後は比較的良好、運動発達も良好に得られるとされており、活動性は健常児と変わらないが要する医療的ケアは重度といういわゆる「高度医療依存児」である。乳幼児期や精神発達障害の合併等意思の疎通が困難な児の呼吸器管理は特にリスクが高く、計画的短期入院は家庭の休息のみならず、児の全身状態を適切に見守り管理するためにも有用であったと考える。

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