<b>オリジナルデータの取扱いと研究者倫理 ―磐梯山の事例―</b>

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タイトル別名
  • Handling and researcher ethics of original data, case of Bandai-san

抄録

はじめに 昨今の論文に見られるオリジナルデータと新発見史料の無断使用は,多くの不利益を発生させている.本発表では,演者が体験中の被害事例(科学者の行動規範に抵触)を紹介し,この積み重ねがジオパーク運営においても大きな支障となるこの問題にどう向き合うべきか考えたい.<br><br>新発見史料の被害実態と再発防止の警告文例<br><br>■下記機関・関係者は,演者が2002年日本火山学会で発表,公開講座限定で協力した「新発見の画像と内容」を無断で転載したものを今も頒布・販売を継続中.提供目的外で流用解析して論文を公表するなど不正行為を続けています.今後の発表を含め,この関係者には2次使用も一切お断り致します.会員各位には,不正排除と再発防止に御協力をお願い致します<br><br>① 内閣府中央防災会議(2005)1888磐梯山噴火報告書184p.N執筆 p12-15.<br><br>② S氏・Ch氏・N氏(2005)磐梯山に強くなる本(福島県火山学習会)28p.磐梯山噴火記念館.【うつくしま基金助成 有償】p12に無断掲載<br><br>③ 福島県立博物館(2008)会津磐梯山 p48-49,T氏(2009)同紀要23号p13-34.<br><br>繰り返される3つの不正行為の実態とまとめ<br>2008年地元研究者の通報により被害を知り内閣府へ通報➡内閣府はNを厳重注意➡Nは,事実を認め2度と無断使用や私の研究に支障を来すことをしないと確約する謝罪書面を提出することで決着.しかし,この報告書はネット閲覧可能となり拡散されていた.2016年N査読で学会誌「火山」に画像を無断掲載した論文が公表されたことで被害が拡大.1年以上内閣府・学会に被害報告をし,画像と関係文書が削除された.Nは学会の聞き取りに,竹本(2013)の発表と警告文の存在を2017年まで知らなかったと証言したが,2013年大会実行委員長・発表プログラム編集委員に加え,有力2紙に3日間報道されていたことから主張は退けられ,公開講座資料・学会誌・J-Stage上からも掲載画像は全て削除された.①同様,Nが流用した画像を掲載,他の個人や機関も同様の被害.奥付に氏名・機関名まで無断掲載され,著作権まで主張.この行為を止めるよう3学会要旨集に警告文を掲載(~2015).2016年時点でも販売していたことから訴訟通告.その後,和解の申入れがあり,合意文書の作成とHP上でお詫び掲載, 配布先へ合意文の添付を確約したので和解.しかし,履行確認のため県立図書館等で検証すると,全文掲載が基本である文書は改ざんされ,一部の隠蔽が判明.2008年会津磐梯山展で噴火画像を展示・解説したいとTより依頼を受け,画像と解説文を提供.図録は届くが掲載なし, 翌年刊行の紀要にも謝辞・引用もなく全てTの研究成果となっていた.2016年,画像を無断使用した「火山」論文執筆者が自説裏付に当該紀要を引用しており,再発防止のため博物館へ厳重抗議と引用不要を火山学会に申し入れることを和解条件とした(音声データ有).その際,提供条件すら守っていなかったことが判明.一方,和解条件である図録と紀要の一部制限は,館側に拒否され被害は拡大中であり,T氏からの謝罪はただ一度もない.また,S磐梯山噴火写真帳の寄託者A氏に無断で複製を作成所持するなど「科学者の行動規範」に抵触する人物であり,彼らが関与する限り当該ジオパークはリセットすべきものと考える.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763119357184
  • NII論文ID
    130007628564
  • DOI
    10.14866/ajg.2019s.0_230
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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