O-1-B16 超重症児スコアと経皮的pCO2モニタリングによる慢性呼吸障害・呼吸ケアの評価

  • 大野 由美子
    社会福祉法人鶴風会 東京小児療育病院 小児科
  • 松井 秀司
    社会福祉法人鶴風会 東京小児療育病院 小児科
  • 阿部 千幸
    社会福祉法人鶴風会 東京小児療育病院 小児科
  • 藤木 真由美
    社会福祉法人鶴風会 東京小児療育病院 小児科
  • 山口 奈津恵
    社会福祉法人鶴風会 東京小児療育病院 小児科
  • 斎藤 直美
    社会福祉法人鶴風会 東京小児療育病院 小児科
  • 佐原 要
    社会福祉法人鶴風会 東京小児療育病院 小児科

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説明

はじめに 経皮的pCO2(PtcCO2)/SpO2モニターは非侵襲的に動脈血CO2(PaCO2)を推定することができる装置で呼吸管理のモニタリングに有用であるが、重症心身障害児者の慢性呼吸障害の定期評価に用いることは一般的ではない。そこで今回われわれは超重症児スコアによる呼吸ケアとPtcCO2/SpO2モニター解析による慢性呼吸障害の評価を行いその関連について検討した。 方法 対象は2016年5月時点における当院長期入所者136名。超重症児スコアの呼吸に関する項目のスコア(以下、呼吸スコア)と性別、年齢、栄養法(経口、経胃、経腸)との関連を評価した。さらにSpO2が不安定で酸素需要が増大傾向、慢性呼吸不全急性増悪の既往等がある長期利用者34名を対象に人工呼吸器装着群をA群、人工呼吸器装着以外の呼吸スコア20点以上をB群、19点以下をC群として24時間 PtcCO2/SpO2モニタリングの平均値を算出した。 結果 呼吸スコアが5点未満は71名(52%)、5点以上は65名(48%)であった。呼吸スコアは栄養法と関連があった(p<0.05)。PtcCO2/SpO2モニタリング平均値はA群(6名)45mmHg/98%、B群(10名)51mmHg/96.7%、C群(18名)49mmHg/96.1%であった。PtcCO2の平均値が60mmHg以上となった者はA群0名、B群3名、C群2名であり全員呼吸不全増悪時の呼吸器使用歴があった。 結論 呼吸スコアは栄養法と関連があり摂食、消化機能の維持に呼吸機能が関与する可能性が示唆された。重症心身障害児者では徐々に慢性呼吸不全が進行するためSpO2の値が正常値を示し続けることがあるが、今回の研究でPtcCO2は慢性呼吸障害の状態を鋭敏に反映していることが示され、慢性呼吸障害の定期評価にPtcCO2/SpO2モニタリングが有用であることが示唆された。

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