ヒト組織バイオバンクの今—欧州バイオバンク視察に学ぶ—

  • 竹内 朋代
    筑波大学附属病院つくばヒト組織バイオバンクセンター
  • 大和田 洋平
    筑波大学医学医療系 関東がん専門医療人養成拠点
  • 宮崎 貴寛
    筑波大学医学医療系 関東がん専門医療人養成拠点
  • 小田 竜也
    筑波大学医学医療系 関東がん専門医療人養成拠点
  • 武川 寛樹
    筑波大学附属病院つくばヒト組織バイオバンクセンター 筑波大学医学医療系
  • 西山 博之
    筑波大学附属病院つくばヒト組織バイオバンクセンター 筑波大学医学医療系
  • 大河内 信弘
    筑波大学附属病院つくばヒト組織バイオバンクセンター 筑波大学医学医療系 水戸中央病院

書誌事項

タイトル別名
  • Current status of Human tissue Biobank —Biobanks in Europe and Japan—

この論文をさがす

説明

<p>ヨーロッパのバイオバンクは世界的に先進的であることが知られている.筆者らは,本年3月にヨーロッパの複数のバイオバンクを視察した.うちひとつは民間で運営しているバイオバンクであった.アカデミアのバイオバンクでは,生体組織のバンキングは研究プロジェクト毎に実施されており,特定の疾患の試料が収集されていた.組織試料の保存手順は日本のバンクで実施されている方法とほぼ同じであった.しかし,患者から試料提供の同意を得るための説明文書は,日本のものに比べ,項目が多岐に渡り,より具体的な記述がなされていた.ドイツの民間バイオバンクでは生体試料の保存だけでなく,免疫組織化学,遺伝子発現解析及び創薬プロファイリングなどの研究支援を実施していた.日本では,3大バイオバンク,バイオバンク・ジャパン,ナショナルセンター・バイオバンクネットワーク,東北メディカル・メガバンク機構が中心となってバイオバンク間の連携が進められている.この流れにより,わが国も倫理面や運営面の課題が解決され,バイオバンクが有効に活用されることが期待される.</p>

収録刊行物

  • Organ Biology

    Organ Biology 26 (1), 43-49, 2019

    一般社団法人 日本臓器保存生物医学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ