関東・東海地方の降水量観測データレスキュー

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タイトル別名
  • Data Rescue for precipitation observation in Kanto and Tokai area

抄録

アメダスの前身である区内観測所による降水量観測のデータレスキューを実施している。アメダスは国内に1300以上の観測地点を持つ稠密な観測網であるが,約40年の歴史しかなく,長期間の統計を取ることができない。一方,区内観測所は1890年代から設置が開始されており,両者の観測データを接続できれば,120年以上の稠密な長期観測データベースを構築することができる。区内観測データは紙媒体に保存されており,各種統計処理を行うためにはデジタル化が必要である。これまでに,昭和期のデジタル化が完了しており,現在,明治・大正期のデジタル化を実施中である。観測開始以来のデジタル化が完了した関東・東海地方の降水量データから得られた結果を紹介する。<br>区内観測とアメダス観測を接続して80年以上の統計が取れる地点について,Gumbel分布により100年に一度の日降水量(確率降水量)を求めた。最も大きな確率降水量は三重県南部で見られ,その値は700mm/dayを超えている。ついで,静岡県東部でも600mm/day程度の値が得られる。一方,愛知県や茨城県では多くの地点で400mm/day以下となっている。これらのことから,確率降水量は地域特性が非常に大きく,防災基礎情報のためには,区内観測とアメダス観測を接続させた高密度の長期統計が必要と考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763120168320
  • NII論文ID
    130007628415
  • DOI
    10.14866/ajg.2019s.0_115
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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