体外式左室補助人工心臓から離脱できた重症拡張型心筋症の1例

DOI
  • 三好 美帆
    大分大学医学部 循環器内科・臨床検査診断学講座
  • 岡田 憲広
    大分大学医学部 循環器内科・臨床検査診断学講座
  • 石井 悠海
    大分大学医学部 循環器内科・臨床検査診断学講座
  • 齋藤 聖多郎
    大分大学医学部 循環器内科・臨床検査診断学講座
  • 近藤 秀和
    大分大学医学部 循環器内科・臨床検査診断学講座
  • 秋岡 秀文
    大分大学医学部 循環器内科・臨床検査診断学講座
  • 篠原 徹二
    大分大学医学部 循環器内科・臨床検査診断学講座
  • 油布 邦夫
    大分大学医学部 循環器内科・臨床検査診断学講座
  • 中川 幹子
    大分大学医学部 循環器内科・臨床検査診断学講座
  • 髙橋 尚彦
    大分大学医学部 循環器内科・臨床検査診断学講座
  • 穴井 博文
    大分大学医学部附属病院 心臓血管外科
  • 宮本 伸二
    大分大学医学部附属病院 心臓血管外科

書誌事項

タイトル別名
  • A case with idiopathic dilated cardiomyopathy weaning from left ventricular assist devices

この論文をさがす

抄録

<p> 52歳男性.45歳時に拡張型心筋症(DCM)と診断され加療されていたが内服を自己中断していた.201X年12月夜間に呼吸困難にて前医へ救急搬送され,DCMによる慢性心不全急性増悪と診断された.薬物治療が開始されたが,肺うっ血と倦怠感が増悪し当院へ転院した.左室壁運動はびまん性に低下し,左室駆出率(EF)は20%であった.ドブタミン,ミルリノン,フロセミド等を使用したが,次第に血行動態の維持が困難となり,20日目に体外式左室補助人工心臓(LVAD)装着術を施行した.術後早期よりACE阻害薬,βブロッカーを導入,漸増しリハビリを行った.2カ月間でEFは45%まで改善し,心機能,運動耐容能,右心カテーテル所見からLVAD離脱可能と判断し,術後141日目にLVAD離脱術を行った.しかし離脱後3日目に心室細動をきたしPCPS,IABPを導入した.EFは15%に低下したが,薬物治療により全身状態,心機能改善しPCPS,IABPを離脱,その後カテコラミンも中止できた.EFは57%まで改善し,植込み型除細動器移植後に退院となった.DCMによる心不全増悪に対しカテコラミンを併用したが心不全が進行し,IABP,PCPSを経由せず体外式LVADを導入した.長期的な循環動態の管理によりACE阻害薬,βブロッカーの導入,漸増が行え,心機能が改善しLVADから離脱できた症例であり報告する.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 50 (3), 319-325, 2018-03-15

    公益財団法人 日本心臓財団

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ