P-148 Stiff Knee Gait を呈した症例における歩行時ハムストリングス筋活動の特徴
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説明
<p>【目的】</p><p>片麻痺歩行の遊脚期における膝関節屈曲不足はStiff Knee Gait(以下,SKG)と呼ばれ,足部引きずりの原因となる.SKG の原因として,前遊脚期の大腿直筋の過活動が挙げられているものの(Kerrigan et al.,1991),ハムストリングの関与は十分に明らかにされていない.よって,本研究では,SKG による足部引きずりを呈する症例の歩行時のハムストリング筋活動を明らかにすることを目的とした.</p><p>【方法】</p><p>症例は右片麻痺を呈した60 歳代男性で,Brunnstrom recovery stage(下肢)はIII,歩行能力はT 字杖見守りであった.筋電図の被験筋は大腿直筋(以下,RF),大腿二頭筋(以下,BF),半腱様筋(以下,ST)とした.サンプリング周波数は</p><p>2000Hz とし,得られた筋活動は,整流平滑化後,歩行中の筋電図最大値を100% として相対値化した.運動学的データとして筋電図と同期したハイスピードカメラによる撮影を行い,Frame Dias を用いて膝関節角度を算出した上,歩行相を同定した.筋活動,関節角度ともに1 歩行周期を100% として正規化した上,6 歩行周期分を平均した.</p><p>【倫理的配慮】</p><p>本発表に際して,ヘルシンキ宣言に十分に説明し,本人から書面にて同意を得た.【結果】</p><p>筋電図計測では前遊脚期(歩行周期の48‐69%)の平均値はRF が34.5%Max(68%),BF が43.5%Max(48%),ST が</p><p>30.5%Max(48%)であった.前遊脚期における膝関節最大屈曲角度は24.57°であった.</p><p>【考察】</p><p>前遊脚期の膝関節屈曲は健常歩行では40°であり,膝関節屈曲減少を認めた.健常者では,BF とST の筋活動が前遊脚期に減少するが,本症例では相対的に高い筋活動が残存した.以上の結果から,前遊脚期におけるBF とST の過剰な筋活動に伴う股関節伸展作用が,股関節屈曲による受動的膝屈曲を阻害し,SKG を導く一つの要因になった可能性があると考える.今後SKG の治療対象としてRF だけでなくBF とST を考慮する必要があると考える.</p>
収録刊行物
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- 関東甲信越ブロック理学療法士学会
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関東甲信越ブロック理学療法士学会 36 (0), 248-248, 2017
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282763121480960
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- NII論文ID
- 130007623666
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- ISSN
- 2187123X
- 09169946
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可