針状ダイヤモンド微小電極を駆使した生体内薬物センシングシステムの創出

書誌事項

タイトル別名
  • Development of in vivo drug sensing system with needle-type diamond microelectrode
  • シンジョウ ダイヤモンド ビショウ デンキョク オ クシ シタ セイタイナイ ヤクブツ センシング システム ノ ソウシュツ

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説明

<p>生体に投与した薬物の濃度は,さまざまな組織の内部で刻々と変化する.それに伴い,標的となる細胞集団の働きも不均一に変動していく.狭い範囲,すなわち〝局所〟におけるこれらの事象の推移を高時間分解能で測定することは,薬効や毒性の仕組みを理解する上で極めて重要である.しかし,従来の方法では,その実現は難しい.そこで本研究では,先端素材である「導電性ダイヤモンド」を用いて計測システムを創出した.この新技術は,薬物濃度を測定するための先端径が約40 μmの針状ダイヤモンド微小電極と,細胞の電気現象を捉えるガラス微小電極の組み合わせに基づく.本システムにより,麻酔下の動物へ静脈投与した利尿薬,抗てんかん薬,抗がん薬の薬物濃度の変化とその作用を,内耳や脳にてリアルタイム計測した.創出した画期的な生体内薬物センシングシステムは,多様な薬物や臓器に適用可能であり,次世代の創薬や治療法の展開に貢献すると期待される.</p>

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 153 (6), 273-277, 2019

    公益社団法人 日本薬理学会

参考文献 (6)*注記

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