P-031 健常人に対するストレッチポール上背臥位の即時的な肺機能の変化について

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抄録

<p>【はじめに、目的】</p><p>肺機能が低下することで胸郭可動性の低下が生じると言われている。近年、ストレッチポール(SP)を用いた研究によりリラクゼーションや脊柱伸展可動域、胸郭可動性の改善が図れ、肺機能の改善にも効果があると報告されている。しかし、SP を用いた長期的介入や動的な運動を行い肺機能の改善が認められた研究はあるが、静的介入が即時効果として肺機能の改善が図れるか報告している研究は少ない。そこで、本研究ではSP を用いて静的介入が即時効果として肺機能に影響を及ぼすかを明らかとする事にした。</p><p>【方法】</p><p>対象は健常成人17 名(男性11 名、女性6 名、年齢26.2 ± 4.8 歳)とした。対象者は、立位でスパイロメーターを用いて肺活量(VC)、対標準肺活量(%VC)、努力性肺活量(FVC)、1 秒量(FEV1)、1秒率(FEV1%)を測定した。次にSP 上に脊柱を合わせた背臥位で4 分間安静にし、その後立位にてスパイロメーターを用いて介入前同様に測定した。介入前と介入後での変化を得られたデータを基に比較した。統計解析には対応のあるT 検定を実施し、有意水準は5%とした。尚、本研究はヘルシンキ宣言に基づいて実施した。</p><p>【結果】</p><p>介入前後での測定されたデータに有意差は認められなかった。(VC p=0.851、%VC p=0.83、FVC p=0.65、FEV1 p=0.71、FEV1% p=0.66)</p><p>【結論】</p><p>本研究ではSP を用いた肺機能への静的介入による即時効果は認められなかった。先行研究では、長期的な介入によりリラクゼーションや脊柱伸展可動域拡大が生じることで胸郭可動性の改善が得られ、肺機能の変化が生じると報告されている。また、対象者にSP 使用経験がない場合、リラクゼーションが得られないとの報告もされている。今回、短時間の介入では脊柱伸展可動域や胸郭可動性改善困難、本研究での対象者ではSP の使用経験がなくリラクゼーションが得られず肺機能への即時効果が得られなかったと考える。</p>

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  • CRID
    1390282763121879936
  • NII論文ID
    130007623597
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.36.0_131
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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