O-011 歩行速度の遅い脳卒中片麻痺者に対する歩数計測方法の開発

Search this article

Description

<p>【背景】</p><p>身体活動量は死亡率などの生命予後との関連が示されており、その把握は疾病管理上重要である。従来、身体活動量の指標には歩数が用いられているが、歩行速度の遅い脳卒中片麻痺者(片麻痺者)では既存の身体活動量計による歩数の計測は困難である。本研究の目的は、3 軸加速度計から得た加速度波形を高速フーリエ変換して歩数を算出することで、歩行速度が遅い片麻痺者の歩数を正確に測ることが可能か否かについて明らかにすることとした。</p><p>【方法】</p><p>対象は平地歩行可能な片麻痺者69 名とし、快適歩行速度によってA 群(20m/min 未満)、B 群(20-30m/min 未満)、C 群(30-40m/min 未満)、D 群(40-50m/min 未満)、E 群(50m/min 以上)の5 群に分けた。対象者の非麻痺側下腿後面に3 軸加速度計を装着して1分間以上の連続歩行を行った。この際、測定者が追従して実際の歩数を目視にて計測した。</p><p>歩行中に得られた各軸(左右, 鉛直, 前後)の加速度波形から合成波形を求めた後、各波形をそれぞれ高速フーリエ変換してピーク周波数を求め、歩数を算出した。統計学的解析には、実際の歩数に対する誤差率を用い、歩行速度(A,B,C,D,E 群)と歩数の算出に用いた波形(左右, 鉛直, 前後,合成)の2 つを要因とした分散分析を行った。本研究は所属施設の研究倫理委員会の承認を得て行った。</p><p>【結果】</p><p>分散分析の結果、各要因とも有意な主効果を認め、二要因間の交互作用も認められた。多重比較の結果、左右、鉛直、前後の各軸の波形から歩数を算出した場合、A 群の誤差率は全て100% 以上と他群より有意に高値を示した。一方、合成波形から歩数を算出した場合、A 群の誤差率は7.0 ± 0.8% でありB,C,D 群の誤差率と差を認めなかった。</p><p>【まとめ】</p><p>3 軸加速度計から得た合成波形を高速フーリエ変換して歩数を算出することによって、快適歩行速度が20m/min 未満の低速度の歩行であっても片麻痺者の歩数を比較的正確に測定することが可能であった。</p>

Journal

Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282763122685312
  • NII Article ID
    130007623513
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.36.0_11
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

Report a problem

Back to top