P-113 FIM 運動項目と要介護認定との関係-ROC 曲線を用いたカットオフ値からの検討
説明
<p>【目的】</p><p>回復期リハビリ病棟では要介護認定を受けた高齢者に対し日常生活活動(ADL)の改善を図ることが重要である。ADL 評価のうちFunctional independence Measure(FIM)は要介護度と関連すると報告されているが、入院患者を対象にFIM の下位項目別の検討は少ない。本研究の目的は、回復期リハビリ病棟入院中に認定された要支援1・2 認定者(要支援群)と要介護1・</p><p>2 認定者(要介護群)におけるADL の違いを、FIM を用いて検討することである。</p><p>【方法】</p><p>対象は転倒により受傷した大腿骨頸部骨折又は脊椎圧迫骨折患者で、当院回復期リハビリ病棟入院中に要介護認定を受けた</p><p>64 名(男12 名、女54 名、年齢81.6 ± 6.9 歳) を要支援群(13 名)、要介護群(51 名)の2 群に分類した。診療録を後方視的に調査し、介護保険申請時のFIM 運動項目13 項目を群間比較(Mann-Whitney のU 検定)した。両群に有意差が認められた項目をReceiver operating characteristic(ROC)曲線から曲線下面積(AUC)、カットオフ値を求め、感度・特異度を算出し、要支援群と要介護群を最適分類した(p <0.05)。尚、本研究は当院医療倫理委員会を経て承認を得た(第128 号)。</p><p>【結果】</p><p>両群において有意差を認めたのは食事、清拭、上衣更衣、排便、浴槽・シャワー椅子への移乗、移動、階段であり、要介護群に比べ要支援群で有意に高い点数であった(p <0.05)。その他の項目では有意な差は見られなかった。ROC 曲線では、上衣更衣のAUC72.3%、カットオフ値5.5 点、感度69.2%、特異度68.6%、移動のAUC70.6%、カットオフ値4.5 点、感度</p><p>76.9%、特異度54.9% であり、中等度の予測能を示した。</p><p>【考察】</p><p>要支援群と要介護群を区分する因子はFIM の上位更衣と移動であることが示唆された。このことからFIM 運動項目は要介護認定の予測能としての活用が可能であると考えられる。また、本研究で求めたカットオフ値を用いることで理学療法プログラム立案の一助になると考える。</p>
収録刊行物
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- 関東甲信越ブロック理学療法士学会
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関東甲信越ブロック理学療法士学会 36 (0), 213-213, 2017
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282763122703232
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- NII論文ID
- 130007623641
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- ISSN
- 2187123X
- 09169946
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可