網膜静脈閉塞症の治療用デバイス開発を目指した血栓モデルの開発

  • 三輪 佳子
    九州大学大学院工学研究院機械工学部門流体医工学研究室
  • 松村 大輔
    九州大学大学院工学研究院機械工学部門流体医工学研究室
  • 住本 芽衣
    九州大学大学院工学研究院機械工学部門流体医工学研究室
  • 川原 知洋
    九州工業大学大学院生命体工学研究科生体機能応用工学専攻
  • 森泉 康裕
    株式会社ベックス
  • 王 英泰
    兵庫県立尼崎総合医療センター眼科
  • 山西 陽子
    九州大学大学院工学研究院機械工学部門流体医工学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • Blocked blood vessel model for the development of treatment device of retinal vein occlusion

抄録

<p>要約:網膜静脈閉塞症は,網膜内の動脈と外膜を共有する静脈が,動脈の肥厚により圧迫され,血流の停滞が主因の血栓で発症する.現在,血栓の直接除去を行う治療は行われておらず,症状を緩和する対症療法だけである.血栓除去を目的とした医療用機器や治療法の開発のために,微細な網膜静脈血栓を模倣し,さらに物性の異なる血栓モデルの作製が求められている.今回,われわれはニワトリの初期胚に分布する静脈血管を一定時間クリップで止血することで,血管閉塞モデルの作製を試み,静脈血栓の特徴を持つ血栓を作製した.また生体外で静脈血栓成分のヒト由来凝固因子とウマ血液を調合して作製した血栓様構造体は,成分依存的に物理的特性を持つことが確認され,その制御が可能となった.今回開発した微細な静脈血栓モデルは,観察や施術も容易なことから,網膜静脈閉塞症などの血栓を物理的に除去する治療を目的とした機器の評価に有用であると思われる.</p>

収録刊行物

参考文献 (10)*注記

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