皮膚老化概論:酸化ストレスと糖化ストレス

  • 米井 嘉一
    同志社大学大学院 生命医科学研究科アンチエイジングリサーチセンター・糖化ストレス研究センター
  • 八木 雅之
    同志社大学大学院 生命医科学研究科アンチエイジングリサーチセンター・糖化ストレス研究センター
  • 髙部 稚子
    同志社大学大学院 生命医科学研究科アンチエイジングリサーチセンター・糖化ストレス研究センター
  • 今 美知
    同志社大学大学院 生命医科学研究科アンチエイジングリサーチセンター・糖化ストレス研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Skin Aging: Oxidative Stress and Glycative Stress
  • ヒフ ロウカ ガイロン : サンカ ストレス ト トウカ ストレス

この論文をさがす

説明

<p>皮膚の老化の機序を考える上で光老化による酸化ストレスと糖化ストレスは大きな要因となっている。紫外線は活性酸素やフリーラジカルを介して皮膚に酸化ストレス障害を惹起し,色素細胞のメラニン産生刺激と角化細胞の遺伝子損傷はシミ形成に,線維芽細胞刺激はシワ形成に関わる。糖化ストレスは次に大きな皮膚老化の原因である。これは還元糖,脂質や酒由来のアルデヒドによる蛋白修飾が主反応で,カルボニル化蛋白ならびに糖化最終産物(advanced glycation end-products: AGEs)を生成,さらにはRAGE(receptor for AGEs)に結合して炎症性サイトカイン産生を促す。RAGE は免疫応答細胞のみならず皮膚線維芽細胞にも存在する。コラーゲン糖化は皮膚弾力性低下,エラスチンの糖化はたるみを惹起する。近年,AGEs が色素細胞を刺激してメラニン産生を助長することが明らかになった。すなわちシミ形成にも関与する可能性がある。糖化ストレス対策化粧品の開発はきわめて重要であり,今後の発展が期待される。</p>

収録刊行物

参考文献 (1)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ