駿河湾におけるサクラエビ雌の成熟サイズと産卵頻度

書誌事項

タイトル別名
  • Size at sexual maturity and spawning fraction of female sergestid shrimp (<I>Lucensosergia lucens</I>) in Suruga Bay, Japan
  • スルガワン ニ オケル サクラエビ メス ノ セイジュク サイズ ト サンラン ヒンド

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抄録

近年,サクラエビの雌は2004年級と2012年級について成熟サイズの小型化が示唆されているが,定量的な評価は行われていない。直接法により産卵親魚量を推定するためには,雌における産卵個体の割合である産卵頻度が必要である。これらの課題を解決するため,2013~2015年の5~10月の産卵期中の雌の卵巣の組織観察を行って,雌を未成熟と成熟に分類し,体サイズと成熟の関係を明らかにした。同様に,産卵前・産卵後の雌の割合を求め産卵頻度を推定した。最小の成熟体長は30.57 mm で,一般化線形モデルによる解析から,50%成熟体長は2013年級は34.13 mm,2014年級は29.48 mm と推定された。産卵前および産卵後の個体の割合は,それぞれ2.4〜26.5%,6.0〜22.2%で調査日によって変動したが,両者の合計値から推定される産卵頻度は0.214〜0.347となり,変動の幅は小さくなった。本研究の結果,推定された雌の成熟体長は1960~1990年級に比べ小型化が認められた。産卵頻度の推定値は先行研究の知見に合致していた。

収録刊行物

  • 水産増殖

    水産増殖 66 (2), 103-109, 2018

    日本水産増殖学会

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