Cladribine投与後に骨髄壊死を併発したhairy cell leukemia

  • 寺尾 俊紀
    国立がん研究センター東病院 血液腫瘍科
  • 湯田 淳一朗
    国立がん研究センター東病院 血液腫瘍科
  • 山内 寛彦
    国立がん研究センター東病院 血液腫瘍科
  • 宮本 憲一
    国立がん研究センター東病院 血液腫瘍科
  • 南 満理子
    九州大学大学院 病態修復内科学
  • 小嶋 基寛
    国立がん研究センター東病院 病理・臨床検査科
  • 菅野 雅人
    国立がん研究センター東病院 病理・臨床検査科
  • 桑田 健
    国立がん研究センター東病院 病理・臨床検査科
  • 南 陽介
    国立がん研究センター東病院 血液腫瘍科

書誌事項

タイトル別名
  • Hairy cell leukemia complicated by bone marrow necrosis following cladribine administration
  • 症例報告 Cladribine投与後に骨髄壊死を併発したhairy cell leukemia
  • ショウレイ ホウコク Cladribine トウヨ ゴ ニ コツズイ エシ オ ヘイハツ シタ hairy cell leukemia

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抄録

<p>症例は50歳男性。2014年4月より汎血球減少が徐々に進行するも前医で確定診断に至らず,2017年6月に精査加療目的に当科紹介となった。偏在性の核と淡青色で豊富な細胞質と辺縁に絨毛突起を有する異常リンパ球を認め,フローサイトメトリー検査でCD11c, CD25, CD103が陽性かつ,BRAF V600E変異が陽性であった。Classic hairy cell leukemia(classic HCL)と診断して,cladribine 0.09 mg/kg/dayの持続投与を7日間行った。治療開始後,骨髄造血能が回復せず,重症感染症により13日目に死亡した。病理解剖の結果,骨髄中に腫瘍細胞の残存はなく,骨髄壊死の所見を認めた。骨髄壊死の原因として原疾患,重症感染症,薬剤の使用が考えられたが,原因の特定は困難であった。Classic HCLの治療成績の向上のために,早期診断と速やかな治療介入が必要である。汎血球減少症を伴ったclassic HCL症例では,骨髄生検やMRI検査によって造血能低下の原因を明らかにすることが重要である。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 60 (6), 559-564, 2019

    一般社団法人 日本血液学会

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