心理学者SIMSOCに出会う:社会心理学の研究・教育法としてのゲームシミュレーション
-
- 広瀬 幸雄
- 関西大学
書誌事項
- タイトル別名
-
- When a Psychologist Encountered with SIMSOC: Game-simulation as Research and Education Method of Social Psychology
この論文をさがす
説明
<p>本論文では,社会心理学においてゲームシミュレーションが研究や教育の方法として利用されてきた経緯を振り返り,ゲームシミュレーションの課題と今後の可能性について議論する.社会学の教育プログラムとしてのSIMSOCを社会心理学の研究方法として利用するためにゲームの仕組みを大幅に改変した仮想世界ゲームは,リーダーシップの発生や社会的アイデンティティの獲得,さらには社会的ジレンマの解決のダイナミックなプロセスを分析する有用な道具であることが確認できた.また,人々の望ましくない行動によって生じる社会問題の解決策を発見するために,様々なゲームシミュレーションが社会心理学者によって開発されて,大学だけでなく地域において教育プログラムとして利用されるようになった.そうしてゲームシミュレーションは社会心理学では実験室実験や社会調査の代替的な研究・教育方法としての評価が得られるようになった.今後の課題としては,高レベル放射性廃棄物の地層処分のようなNIMBY問題など人々の価値観の対立によって合意形成が困難な問題の解決策を検討するためのゲームシミュレーションを開発し,解決策を促進阻害する要因を発見することが必要となるであろう.</p>
収録刊行物
-
- シミュレーション&ゲーミング
-
シミュレーション&ゲーミング 28 (2), 97-104, 2019-03-30
NPO法人 日本シミュレーション&ゲーミング学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390282763129569152
-
- NII論文ID
- 130007677157
-
- ISSN
- 24340472
- 13451499
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可