ネオニコチノイド系農薬(アセタミプリド)経口曝露による幼若マウス精巣への影響

DOI
  • 寺山 隼人
    東海大学医学部医学科基礎医学系生体構造機能学領域
  • 梅本 佳納榮
    東海大学医学部医学科基礎医学系生体構造機能学領域
  • 曲 寧
    東海大学医学部医学科基礎医学系生体構造機能学領域
  • 坂部 貢
    東海大学医学部医学科基礎医学系生体構造機能学領域

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of neonicotinoid pesticide (acetamiprid) on testosterone biosynthesis and spermatogenesis in the juvenile murine testes

抄録

<p>ネオニコチノイド系農薬(NP)はニコチン性アセチルコリン受容体(nAChR)へのアゴニスト作用によって害虫に対しては強い毒性を発揮するが、哺乳類には安全であるとされ世界中で汎用されている。しかし、近年、実験動物でNPが神経系、免疫系、生殖器系など様々な器官に悪影響を及ぼす事が報告されている。精巣内環境は思春期を境に精子・精子細胞が出現するため劇的に変化する。成獣雄マウスにNPを投与すると、血清テストステロンの低下や造精障害が報告されているが、幼若雄マウスにNPを投与した報告はない。そこで本研究は、幼若雄マウス(3週齢)にNPであるアセタミプリド(ACE)を投与し、精巣に与える影響を検討した。ACEを水道水に溶かし自由飲水させる実験(ACE1およびACE2)群、ACEを溶解している界面活性剤(DMSO)のみを水道水に溶かし自由飲水させるDMSO群、水道水のみ自由飲水させるUntreated群の4群に分け、180日後に精巣を深麻酔下で摘出し、形態学的および分子生物学的に評価した。その結果、180日後の体重は実験群で有意に減少したが、精巣の重量や組織に有意な変化はなかった。ステロイド合成系、増殖細胞因子、nAChRサブユニットのmRNA発現は実験群で有意に低下していた。ACE曝露は形態学的変化を誘導しない投与量でも、精巣内に蓄積し、遺伝子発現に様々な変化を及ぼすことがわかった。さらに、過去の文献と比較すると種差、ネオニコチノイド系農薬種、週齢において、かなり感受性の違いがある事もわかった。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763129860992
  • NII論文ID
    130007677300
  • DOI
    10.14869/toxpt.46.1.0_p-134
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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