製薬企業内での研究から開発へのキャリアパス
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- 谷 吉朗
- 第一三共株式会社 開発薬事部
書誌事項
- タイトル別名
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- A toxicologist’s career path from nonclinical research to clinical development divisions in a pharmaceutical company
抄録
<p>製薬企業の社会的使命は、治療方法が十分でない疾患に対する医療用医薬品や細胞治療等製品、あるいは医療経済学的な観点からのジェネリック医薬品・バイオ後続品を通じ、世界の医療に貢献して、様々な疾患と闘う患者を一人でも多く、一日でも早く救うことである。非臨床研究は、新薬候補品選定課程から承認申請及びその後の審査に至るまで、様々な場面で常に重要な機能として位置づけられている。製薬企業に研究職として就職した研究者は、毒性学あるいは薬物動態学の研究所に配属されることで、トキシコロジストへのキャリアパスをスタートする。彼らはその後、自らの意志と探究心により自身の専門分野を深化させ、認定トキシコロジストへと成長する。その成長過程で、在籍する研究所内のローテーションにより、トキシコロジーの専門性を複数獲得する機会を得るトキシコロジストも少なくない。トキシコロジストとして磨いたナレッジとスキルを、非臨床薬効評価やバイオマーカー研究に活かすキャリアパスもある。さらに、会社が「なりたい姿」を実現する手段として会社組織を常に見直し、従業員の専門性や適性を考慮したとき、キャリアパスが進む先は必ずしも研究部門にとどまらない。特にトキシコロジストは、医薬開発(臨床)部門、薬事部門、安全性情報部門、メディカルアフェアーズ部門などの非研究部門で、安全性のナレッジを有し非臨床が広く理解できる人材として、需要が高い。本演題では、これからの自身のキャリア形成に迷っているトキシコロジストである研究者に対して、研究部門以外にも活躍する場があることを事例で共有したい。製薬会社内でのキャリアパスの多様性に対して前向きになるきっかけになればと願う。</p>
収録刊行物
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- 日本毒性学会学術年会
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日本毒性学会学術年会 46.1 (0), W4-2-, 2019
日本毒性学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282763129886336
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- NII論文ID
- 130007677661
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可