悪性リンパ腫との鑑別に苦慮した両側同時性精巣腫瘍の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A CASE OF BILATERAL SYNCHRONOUS TESTICULAR TUMORS, WHICH WAS DIFFICULT TO DIFFERENTIATE FROM MALIGNANT LYMPHOMA

この論文をさがす

抄録

<p>悪性リンパ腫との鑑別に苦慮した両側同時性精巣腫瘍の1例を報告する.症例は56歳男性.左陰囊内腫瘤を主訴に近医を受診し,両側精巣腫瘍の診断のため当科に紹介され受診した.超音波検査では両側精巣内に内部均一な低エコー領域を認めた.MRI T2強調画像にて両側精巣内に内部均一な低信号像を認めた.胸腹部骨盤CTではリンパ節腫脹を含め転移を示唆する所見を認めなかった.精巣腫瘍の好発年齢から外れていること,両側同時性であることから,精巣原発悪性リンパ腫を第一に考えた.患者と相談し,組織学的診断をつけるために右高位精巣摘除術を施行した.病理所見はセミノーマであったため,両側同時性胚細胞腫瘍と診断し,左高位精巣摘除術を施行した.左に関しても同様にセミノーマであった.現在のところ,再発・転移所見を認めていない.両側同時性精巣腫瘍の診断は,年齢,腫瘍マーカー,画像所見等から総合的に行う必要があると思われる.</p>

収録刊行物

参考文献 (5)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ