造影超音波検査が診断に有効であった腎梗塞の1 例

Search this article

Description

症例は30 代,女性.洞不全症候群にてペースメーカー植え込み後.急激な右下腹部痛と嘔気で当院救急外来を受診した.血液・尿検査,腹部単純CT 検査にて明らかな異常所見を認めず,対症療法となった.しかし症状の改善なく,翌日に再度救急外来受診した.血液検査ではLDH の上昇を認めた.超音波検査では,B モード法にて右腎下極にエコーレベルの上昇を認め,カラードプラ法では血流シグナルの低下,さらに造影超音波検査では明瞭な造影欠損像が描出された.腹部単純CT 検査で右腎周囲の脂肪織混濁を認め,腹部造影CT 検査では,右腎下極に楔状の造影不良域を認めた.以上の所見より腎梗塞の診断に至った.病歴要聴取にて,他院で心房細動を指摘されていたことが判明し,原因疾患と考えられた.腎梗塞の診断には造影CT 検査のみでなく,より簡便で低侵襲な超音波検査も有用である.塞栓症のリスクとなる既往などに留意し,急性腹症の鑑別診断として念頭に置くことが重要である.

Journal

Details 詳細情報について

Report a problem

Back to top