ロジスティクスにおける震災対応

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  • Logistics in Response to the Earthquake
  • ロジスティクス ニ オケル シンサイ タイオウ

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抄録

ロジスティクスにおける震災対応は進展しているものの,熊本地震が発生し,あらためて被災地への 物資供給が大きな問題となった.緊急支援物資について,東日本大震災以降,国,地方自治体は,PUSH 型の物資供給,官民連携を進めてきた.熊本地震ではうまく機能した部分が多い一方で,ラストワンマ イルである市町村の搬入拠点,避難所までの輸送が混乱したため,震災直後,一部の避難所で物資が不 足するという問題が発生した.また,民間企業の一般流通ルートによるロジスティクスについては,被 災地が狭域であったこともあり,周辺県の物流センターを利用した輸送が比較的スムーズにいった.今 後想定されている首都直下地震,南海トラフ巨大地震では避難者の数が多い一方で,主要工場での生産 が停止するなど供給が大きく制約され,かつ交通の大動脈が寸断することが予想される.物資の需要と 供給のバランスが大きく崩れると考えられ,従来の震災時対策の考え方だけでは対応が困難である.今 後,予想される大規模地震に向けての課題についてもあわせて考えてみる.

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