社会人大学生を対象としたアディクションゼミの試み

  • 松下 年子
    横浜市立大学大学院医学研究科看護学専攻・医学部看護学科

書誌事項

タイトル別名
  • Attempt Towards Conducting an Addiction Seminar Targeting University Students Who are Members of Society
  • シャカイジン ダイガクセイ オ タイショウ ト シタ アディクションゼミ ノ ココロミ

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抄録

<p>関東圏の一大学において,社会人大学生を対象としたアディクションゼミを継続的に開催した。アディクションゼミの意義や有用性を検討するために,継続参加した学生を対象にアディクションゼミを通じて学んだこと,経験したことについてフォーカスグループインタビューを行った。質的帰納的に分析した結果,【誰にも起こりうる身近な問題としてのアディクション】【アディクションの本質を知る】【見えなかったことが見えてくる】【改めて感じるアディクションの脅威】【回復の可能性を知る】【アディクションゼミのメリットと課題】の6コアカテゴリと,それらに付随した16カテゴリに集約された。対象学生は,アディクション問題やそれを抱えた人々への関心や危惧からゼミにつながったが,アディクションの学習や事例検討を進める中,アディクションが他人事でもなければ,本人だけの問題でもないという認識を得,アディクションのきっかけやパターン,アディクションが病気であることを学んでいた。事例検討を通じて自分自身の問題の気づきや,事象の捉え方の変化も含めて,見えなかったことが見えてくるという経験を経て,改めてアディクションに対する脅威を感じていた。しかし病気だからこそ回復可能であるという期待と方法論を掌握し,アディクションゼミのメリットとゼミへの展望,課題を述べていた。アディクションゼミの学びを啓発等の社会的関心に連動させていたことから,社会人大学生を対象としたアディクションゼミの有用性が示唆された。</p>

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