児童・思春期精神科外来を受診している中学生の対人関係と居場所感の特徴

  • 菅谷 智一
    茨城県立こころの医療センター 筑波大学大学院人間総合科学研究科看護科学専攻
  • 森 千鶴
    筑波大学医学医療系

書誌事項

タイトル別名
  • INTERPERSONAL RELATIONS AND THE SENSE OF BELONGING IN JUNIOR HIGH SCHOOL STUDENTS WITH MENTAL DISORDERS
  • ジドウ ・ シシュンキ セイシンカ ガイライ オ ジュシン シテ イル チュウガクセイ ノ タイジン カンケイ ト イバショカン ノ トクチョウ

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説明

<p>居場所感は思春期の子どもにとっては重要な概念であり,児童・思春期精神科において居場所の支援の必要性が指摘されているものの未だ明らかにされていない。そこで,児童・思春期精神科外来を受診している中学生の対人関係と居場所感との関連や特徴を明らかにすることを目的とし,中学生188名を対象に対人関係と「家庭場面」,「友人場面」,「クラス場面」,「病院場面」ごとの居場所感に関する自記式質問紙調査を実施した。統計学的有意水準は5%とし,ノンパラメトリック検定を行った結果,居場所感得点は「家庭場面」において最も高く,「クラス場面」が最も低く,「病院場面」は「クラス場面」よりも高いことが認められた。対象者背景の分析では,「友人場面」と「クラス場面」において,男子より女子の居場所感の低さが認められ,「友人場面」,「クラス場面」,「病院場面」において,1年生よりも3年生の居場所感の低さが認められた。親とよく話をする者は「家庭場面」における居場所感が高く,友人とよく話をする者は「友人場面」や「クラス場面」において居場所感が高いことから,居場所感には友人関係や仲間関係などの他者との関係や学校適応が関連していると考えられ,児童・思春期精神科外来においても受容的で安心感が得られるような関わりや仲間関係に再会できるような取り組みが必要であると考えられた。</p>

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