心疾患入院患者における運動療法以外の座位行動時間の実態調査

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タイトル別名
  • ~整形外科疾患との比較検討~

抄録

<p>【背景および目的】</p><p>心臓リハビリテーションでは早期離床および座位行動時間を短縮、身体活動量を安全に増やすことが求められる。退院後の身体活動量の改善を図るうえで、入院中から座位行動時間を短縮させる方策を検討することは重要である。本研究の目的は、その前段階として、心疾患入院患者における運動療法以外の身体活動量の実態調査を行い、下肢整形外科疾患と比較検討することである。</p><p> </p><p>【方法(または症例)】</p><p>対象は病棟内自由歩行許可された入院患者のうち身体活動量計測の承諾が得られた、心疾患41名(以下心臓群、67.1±11.6歳)、下肢整形外科疾患9名(以下整形群、77.4±10.5歳)。評価項目は年齢、体格指数、血液生化学検査値、握力、10m歩行速度、身体活動量である。身体活動量は活動量計(オムロンヘルスケア社製Active Style Pro HJA-750C)を使用、7時~19時までの身体活動量を歩行時間と生活活動時間に分類、生活活動のうち1.5メッツ以下を座位行動、1.6~3.0メッツを低強度、3.1メッツ以上を中高強度として判定した。統計解析は心臓と整形の各項目をStudent's t-testにて比較した。</p><p> </p><p>【結果】</p><p>握力は心臓群28.9±9.6 kg、整形群13.8±5.9 kg、10m歩行速度は心臓群9.8±2.0 秒、整形群15.7±3.4 秒にていずれも心臓群が有意に優れていた(p<0.01)。身体活動量では、座位行動時間は心臓群576.2±36.6 分、整形群547.2±19.0 分(p<0.05)にて心臓群で有意に長く、低強度時間は心臓群81.5±27.5 分、整形群151.9±19.6 分(p<0.01)にて心臓群が有意に短かった。中高強度と歩行時間は有意差を認めなかった。</p><p> </p><p>【考察および結論】</p><p>座位行動時間は有意差ありも、2群とも540分以上に延長していた。心臓群では運動機能良好にも関わらず、整形群と比較して低強度時間が短く、身体活動量が少なかった。心臓群の身体活動向上に対するアドヒアランスが低い可能性が示唆され、入院中から座位行動時間短縮に向けた方策が必要であると考えられた。</p><p> </p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本研究を実施するにあたって、ヘルシンキ宣言にしたがい、対象者に、研究の目的、方法、個人情報の保護、調査結果の取り扱い等に関し十分に説明を行い、同意を得たうえで実施した。</p>

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 46S1 (0), A-91_2-A-91_2, 2019

    公益社団法人 日本理学療法士協会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763134082944
  • NII論文ID
    130007692605
  • DOI
    10.14900/cjpt.46s1.a-91_2
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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