徳島県の家庭調理 副菜の特徴

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Tokushima prefectur home cooking: side dishes

抄録

<p>【目的】徳島県には山,里,海の自然に恵まれた環境で培われた,伝統的な食生活がある。平成24年・25年の特別研究で「次世代に伝え継ぐ家庭料理」の調査を行ってきた。その中の副菜について取り上げ,食材と調理法から地域性を考察したので報告する。</p><p>【方法】昭和30年〜40年頃に徳島県で食された料理について,家庭の食事作りに携わってきた61歳〜85歳の人に聞き取り調査を実施した。県西部,吉野川北岸部,県中央部,県南山間部,県南沿岸部の5地区について検討を行った。</p><p>【結果および考察】煮物では,「けんちゃん煮」が県西・吉野川北岸・県南山間部に見られ,「干し芋と小豆の煮物」は県西・県南山間部に,「ゼンマイの煮物」は吉野川北岸部に,「くさぎとじゃがいもの炊き合わせ」は県南山間部に,「カンパチの煮物」・「たけのことアンロクの煮物」・「さつま芋とねぎの煮物」が県南沿岸部に見られた。和え物では「ならえ」が県西・県中央・県南山間部に,「白和え」は吉野川北岸部,「タンポポのおひたし」は県南山間部に見られた。酢の物では「わけぎのぬた」・「鰯のぬた」が県中央部に,「ハスの酢の物」・「うどやたら芽の酢の物」は県南山間部に見られた。汁物では「そば米汁」が県南沿岸部を除く地域に,「素麺と野菜と豆腐のおつゆ」は県西部で見られた。焼き物では「でこ回し」が県西部に,「ゆずみそ」は県南山間部で見られた。どの地域でも地元で取れる,季節の食材を基本とした料理が多い。調理法は揚げ物,炒め物は少なく煮物,和え物が中心であった。魚介類は主菜として利用されることが多いが県南沿岸部では副菜にも使用が見られた。それぞれの地域の特性に合わせ,伝統的に根付いてきた副菜の料理があることが確認できた。</p>

収録刊行物

キーワード

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763134257920
  • NII論文ID
    130007695778
  • DOI
    10.11402/ajscs.31.0_228
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ