大腿四頭筋が2ステップテストに及ぼす影響

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  • ~ロコモティブシンドロームの予防を目指して~

Description

<p>【はじめに、目的】</p><p>日本整形外科学会によるとロコモティブシンドローム(以下ロコモ)とは「運動器の障害によって移動機能が低下した状態」と定義されている。ロコモの危険度を判定する評価指標として2ステップテストがある。2ステップテストは下肢筋力・バランス能力・柔軟性などを含めた歩行能力を総合的に判断できる。しかし、2ステップテストの基準値が定められているが、詳細な身体機能との関係についての報告はあまり見られない。そこで本研究では、2ステップテストにおいて身体機能の影響因子を明らかにする事を目的とした。</p><p>【方法】</p><p>対象は健常若年者31名(年齢26.0±2.2歳)とした。測定内容として2ステップテストは最大2歩幅を身長で除した値を2ステップ値として算出した。筋力は大殿筋と大腿四頭筋を測定し、体重で除した値を左右で平均し筋力値(N/kg)として算出した。柔軟性(cm)は股関節前面部・足底筋膜・指床間距離を計測した。統計処理としてSPSSを使用し、2ステップ値と各項目をPearson積率相関係数を用いて検討した。その際、有意水準は5%未満とした。その後、変数の貢献度を明らかにする為2ステップ値を従属変数、相関が認められた項目を独立変数とし重回帰分析Stepwise法を用いて行った。</p><p>【結果】</p><p>2ステップテストと大殿筋筋力値(r=0.469、p<0.01)・大腿四頭筋筋力値(r=0.537、p<0.01)に相関が認められた。また、重回帰分析より2ステップテストに最も影響を与える因子は大腿四頭筋筋力値(P<0.01、β=0.553)が選択された。</p><p>【結論】</p><p>今回2ステップテストと身体機能の影響因子を明らかにした。その結果、大腿四頭筋筋力が抽出された。我々は前研究にて2ステップ値の正常群は異常群に比べ大腿四頭筋筋力値が高い結果を報告している。この事に加え、石井らの報告では大腿四頭筋筋力の低下はロコモの発症に関わっていると述べている。健常若年者で検証を行った事により将来的なロコモ予防として大腿四頭筋の筋力が重要であると示唆された。今後は、小児や高齢者でも同様に検証し、年齢相に応じたロコモになり得る原因を明確にして各々の予防に繋げていきたいと考える。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本研究はヘルシンキ宣言に基づき対象者に説明を行い、同意を得て実施した。</p>

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390282763134468992
  • NII Article ID
    130007692608
  • DOI
    10.14900/cjpt.46s1.c-104_2
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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