多孔質固体食品の食感の定量的評価

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タイトル別名
  • Quantitative evaluation of the texture of porous-solid-food

抄録

<p>【目的】食品のおいしさは,味覚・嗅覚・視覚だけでなく,食感(テクスチャー)を通して総合的に判断される。特に,固形の食品では歯応えや口当たり等の食感がおいしさに大きく影響している。また,日本語には食感を表す擬音語・擬態語(オノマトペ)が数多くある。食感の評価方法としては官能評価が一般的だが,食品の開発や品質管理を行う上では食感を数値化する必要がある。そこで本研究では,サクサク等の擬音語で表現される多孔質固体食品に関して,機器測定から得られる物理量を用い食感の数値化を試みた。</p><p>【方法】試料には,市販の焼菓子,米菓,食パンを使用した。まず,焼菓子および米菓の定速圧縮試験を㈱山電社製のレオメータにて行った。測定は,φ 2 mmのプランジャーを用い,測定速度1 mm/sで歪率90%まで圧縮し,荷重f vs. 歪み g のプロットを得た。次に,ソフトウェア解析により微分波形(df/dg vs. g プロット)を求め,そこからdf/dg の頻度分布を算出した。さらに,オーブントースターあるいは135℃の乾熱器を用いて加熱した食パン,および飽和塩溶液で調湿したデシケーターに一定時間保持した焼菓子についてもテクスチャー測定を行った。</p><p>【結果および考察】クッキーでは,f vs. g プロットに多数の破断点がみられ,df/dg の値が大きく変化した。また,食パンは,乾熱器加熱では厚みの増加に伴いdf/dg の頻度分布が鋭いピークから正規分布状に広がったが,オーブントースター加熱では,狭い範囲に集まった。さらに,焼菓子では吸湿に伴いdf/dg の頻度分布が正規分布状から鋭いピークに変化した。このことから,df/dg の頻度分布からサクサクの程度など食品の食感を評価しうることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763134647936
  • NII論文ID
    130007695806
  • DOI
    10.11402/ajscs.31.0_76
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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