胸郭柔軟性と脊柱可動域の関連について
書誌事項
- 公開日
- 2019
- DOI
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- 10.14900/cjpt.46s1.h2-56_1
- 公開者
- 日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
説明
<p>【はじめに、目的】</p><p>人間の構造上、胸郭が単体で機能するとは考えにくく、腰椎や骨盤などと関連し合い、複合的に機能するシステムを持つ。また、胸骨・肋骨・胸椎から構成される胸郭は一つのユニットとして機能しており、胸郭の運動は主に胸肋・肋椎関節で生じる。つまり、胸郭の運動には脊柱全体の運動機能が必要と考えられる。胸椎は頭尾方向へと屈曲・伸展の大きさが増加する。腰椎でも同様に、屈曲・伸展の大きさは頭尾方向へと増加する。脊柱全体での運動方向は屈伸・側屈・回旋だが、構造的に胸椎は屈伸・回旋、腰椎は屈伸・側屈の要素が大きいことを踏まえると、胸椎と腰椎は上位と下位でさらに有する機能が違うことが推察される。そこで、本研究では脊柱可動域を胸椎、上位胸椎、下位胸椎、腰椎、上位腰椎、下位腰椎にそれぞれ分け、胸郭柔軟性との比較検討を行った。</p><p>【方法】</p><p>対象は健常成人13名とした。平均年齢26.0±3.5歳、平均身長173.5±4.6cm、平均体重65.2±7.9kgであった。胸郭柔軟性は田平らの方法に準じ胸郭拡張差にて評価した。測定は座位で股関節・膝関節90°屈曲位、骨盤は上前腸骨棘と上後腸骨棘を結ぶ線が床面と平行になる状態とした。テープメジャーを用いて腋窩、剣状突起、第10肋骨レベルの胸郭周径を計測した。最大吸気時と最大呼気時の3回平均値を算出し、その差を各部位の胸郭柔軟性とした。脊柱可動域の評価は、Index社製スパイナルマウスを用いた。測定は座位で最大伸展位、最大屈曲位、左右最大側屈位での脊柱アライメントを測定した。解析は胸椎、上位胸椎、下位胸椎、腰椎、上位腰椎、下位腰椎に対し、胸郭との関連性をPearsonの積立相関係数を用い検討した。なお、有意水準は5%とした。</p><p>【結果】</p><p>腰椎屈曲可動域と腋窩レベル(r=0.64)に正の相関が認められた。また、上位腰椎屈曲可動域と腋窩レベル(r=0.72)、剣状突起レベル(r=0.65)で正の相関が認められた。胸椎と胸郭柔軟性、下位腰椎と胸郭柔軟性に相関は認められなかった。</p><p>【結論(考察も含む)】</p><p>今回、脊柱可動域と胸郭柔軟性を比較した結果、胸郭柔軟性と腰椎屈曲可動域に正の相関が認められた。先行研究に胸郭柔軟性と腰椎屈曲可動域は関係があるという報告があり、本研究結果は先行研究を裏付ける結果となった。また、腰椎を上位・下位にわけると、その影響因子は上位腰椎屈曲可動域であることが示された。大槻は腰椎後弯域の拡大は、多裂筋のリラクゼーションと腰椎椎間関節の可動域の改善を示唆すると報告している。また、栗原らは胸郭柔軟性の向上を目的とした運動療法は、腰部多裂筋機能を向上させる可能性を示唆すると報告している。本研究結果から、胸郭柔軟性と腰椎屈曲可動域の関連性を裏付けたこと、より上位腰椎屈曲可動域が関与することが示された。また、それには多裂筋が関与する可能性があり、今後は多裂筋機能が胸郭柔軟性に及ぼす影響について検討が必要と考える。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>対象者には研究の趣旨及び方法について、十分に説明し同意を得た。</p>
収録刊行物
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- 理学療法学Supplement
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理学療法学Supplement 46S1 (0), H2-56_1-H2-56_1, 2019
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282763134957056
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- NII論文ID
- 130007693984
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可