カットレタスの品質保持に及ぼすダイコンの揮発成分の効果

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • The effect of volatile components in radish on the quality of cut lettuce

抄録

<p>【目的】近年カット野菜の流通が増加しているが,その鮮度低下の抑制は大きな課題である。アブラナ科植物に含まれるイソチオシアネート(ITC)類は,青果物の品質劣化を抑制する物質として知られている。そこで,ダイコンから生成される揮発性のITC類が他の野菜の品質に与える影響を調べるため,レタスを用いて検討した。</p><p>【方法】市販のダイコンとレタスを細切後,直ちにバイアル瓶に入れGC/MS (SPME-ヘッドスペース法)によりITC類の分析を行った。遊離アミノ酸分析はNBD誘導体化HPLC法を用いた。カットレタスに及ぼすダイコン中のITC類の影響を調べる実験では,バイアル瓶にダイコンの千切りまたは搾汁を入れ,ビーズで空間を作った上にカットレタスを入れ,密栓後冷蔵保存した。経時的にレタスのL*a*b*値,遊離アミノ酸量,一般生菌数,バイアル瓶中のITC量を測定した。</p><p>【結果および考察】カットダイコンの揮発成分分析で,4-メチルチオ-3-ブテニルイソチオシアネート(4-MTBITC)の2種類の幾何異性体のほか,4-メチルチオブチルイソチオシアネート (Erucin)の存在が示された。次にレタスを千切りまたは搾汁ダイコンと共に保存したところ,7日後もレタスのみの対照群に比べ遊離アミノ酸の減少が抑制された。またa*値はダイコンの千切り・搾汁の各添加群で初日との有意差はみられなかった。またレタスの生菌数もダイコン添加群で低値であった。</p><p>以上の結果から,ダイコンの千切りや搾汁の存在で,レタスの遊離アミノ酸量の減少抑制,褐変防止,一般生菌数の増殖抑制等の効果が得られ,保存可能期間を延長できる可能性が示された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763134997888
  • NII論文ID
    130007695633
  • DOI
    10.11402/ajscs.31.0_150
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

問題の指摘

ページトップへ