夏季に漁獲されたムール貝のエキス成分

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タイトル別名
  • Extractive components contained in Blue mussel, <i>Mytilus galloprovincialis</i> harvested in summer

抄録

<p>【目的】国内で漁獲されるムール貝は,主に活魚として出荷され魚介料理の素材として使われている。ムール貝は,含まれるエキス成分が料理のおいしさに寄与していると考えられるが,そのエキス成分に関する報告は少ない。発表者らは,漁獲直後のムール貝エキス成分の貯蔵や季節変動について検討している。そこで,今回の発表では,旬と言われている夏季漁獲されたムール貝のエキス成分について報告する。また,ムール貝煮出し液の旨味を強化する方法についても検討した。</p><p>【方法】夏季(8月末)に漁獲されたムール貝を用いて,エキス成分の分析を行った。ATP関連物質および有機酸は,PCA抽出液をHPLCおよびキャピラリー電気泳動装置によってそれぞれ測定した。アミノ酸の分析はスルホサリチル酸抽出液を用い,UPLCによって測定した。アミノ態窒素は,CNS元素分析装置を用いた。官能評価:ムール貝の煮出し液にグルタミン酸Na(MSG),核酸系調味料(核酸,IMP:GMP=1:1)を添加し,「味の強さ」及び「おいしさ」を評価した。</p><p>【結果および考察】主なアミノ酸の含量は,GluとAspがそれぞれ94.4mgおよび53.8 mg/100g,AlaとGlnがそれぞれ135.3mgおよび125.9mg/100g,Argは167.7 mg/100gであった。IMPとAMPはそれぞれ1.5mgおよび10.6 mg/100g,コハク酸は32.7 mg/100gであった。ムール貝の煮出液にMSG又は核酸を添加したとき,味の強さは「核酸添加」,「MSG添加」,「無添加」の順に強かった。したがって,IMP又はGMP,MSGを多く含む食材とムール貝を組み合わせるとうま味が強くなることが示唆された。</p>

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763135013632
  • NII論文ID
    130007695745
  • DOI
    10.11402/ajscs.31.0_47
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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