レペティショントレーニングが健康成人の動脈機能に及ぼす影響
説明
<p>【背景および目的】</p><p>動脈硬化症の予防は,中強度持久的トレーニング (CT) が推奨されているが,インターバルトレーニング (IT) は,CTと比較して動脈機能の改善効果を得られることが明らかにされている.一方,レペティショントレーニング (RT) が動脈機能に対する効果は不明だが,レペティション形式の運動は,運動と完全休息により構成されるため,一般的なITと比較して主運動を短縮できる可能性がある.そこで,本研究は,RTが動脈機能に及ぼす影響について検討した.</p><p> </p><p>【方法】</p><p>被験者 (n=10) は健康な成人男性であり,6週間のコントロール期間後に,RTは自転車エルゴメータを用いて,100%peak power output (Wmax) 強度で,20秒間の高強度運動と40秒間の完全休息を20回反復させる20分間の運動とし,週3回,6週間実施した.血流依存性血管拡張反応 (FMD),収縮期/拡張期血圧 (SBP/DBP),および心拍数 (HR) をコントロール前,トレーニング前後に測定した.</p><p> </p><p>【結果】</p><p>コントロール前,トレーニング前後のFMDの平均値 ± 標準偏差は,それぞれ7.66 ± 1.62%,7.09 ± 1.05%,8.58 ± 1.15%であり,トレーニング後は,コントロール前と比較して有意に増加傾向であり,トレーニング前と比較して,有意な増加が認められた (P<0.01).SBP,DBP,およびHRは,トレーニング前後で有意な変化は認められなかった.</p><p> </p><p>【考察および結論】</p><p>RT後にFMDが増加した原因は,運動に伴う血流増加で生じるずり応力によって,エンドセリン−1が減少し,一酸化窒素が上昇するなど血管作動性物質の濃度変化が影響したためであると考えられる.RTにより動脈機能の改善が示されたが,効果の程度については,CTおよびITと比較して検証する必要がある.</p><p> </p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本研究は,徳島大学総合科学部人間科学分野における研究倫理委員会の承諾を得たものであり,対象者には事前に文章および口頭にて研究内容・趣旨,参加の拒否・撤回・中断などについて説明し,承諾を得た後に研究を開始した.</p>
収録刊行物
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- 理学療法学Supplement
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理学療法学Supplement 46S1 (0), A-99_1-A-99_1, 2019
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282763135208320
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- NII論文ID
- 130007692586
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可