自己誘発可能なpivot shift現象に対する四節リンク膝装具の制動効果

説明

<p>【はじめに,目的】</p><p> 四節リンク膝装具(4BL装具,有薗製作所)は四節リンク機構によって膝の滑り転がり運動を再現した支柱付軟性装具である。前十字靭帯(ACL)を保護するために考案したもので,KneeLax靱帯計測器にて前方制動の有効性については実証された。本研究の目的は4BL装具がpivot shift現象を制動できるか否かを検討することである。</p><p>【方法】</p><p> 対象は脛骨前外側回旋不安定性,いわゆるpivot shift現象を自己誘発可能な1例である。症例は受傷から2.5年経過した20歳代の女性で,前方引き出しテスト,Lach-manテスト,pivot shiftテストがいずれも陽性であった。部分荷重した状態で膝外反内旋ストレスにて自らpivot shift現象を誘発できた。受傷時血腫が認められたが右内側側副靭帯(MCL)損傷の診断のもとに加療された。この症例に対し受傷時に処方されたMCL装具および4BL装具を装着し,pivot shift現象の誘発を試みてもらった。</p><p>【倫理的配慮】</p><p> 対象には研究内容やリスク等を説明し同意を得た。</p><p>【結果】</p><p> MCL装具下ではpivot shift現象が再現されたが,4BL装具下では再現できなかった。</p><p>【考察】</p><p> 本症例はpivot shift現象を自在に自己誘発することができたが,4BL装具下ではそれができなかった。4BL装具がpivot shift現象を制動しうることが証明された。MCL装具との違いは確認できたが他のACL装具との比較がないこと,1症例の検討であること,制動効果が定量的でないことが問題で,今後の課題である。</p>

収録刊行物

  • 理学療法学Supplement

    理学療法学Supplement 46S1 (0), F-127-F-127, 2019

    日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282763135265536
  • NII論文ID
    130007693280
  • DOI
    10.14900/cjpt.46s1.f-127
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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