直線歩行および曲線歩行能力の加齢による変化について
Description
<p>【はじめに・目的】</p><p>日常生活における歩行能力には直線歩行能力の他に曲線歩行能力も必要となる.加齢による歩行能力の低下を調査した研究は多数あるものの,加齢による曲線歩行能力の変化を調査した研究は少ない.そこで本研究では,直線歩行能力および曲線歩行能力の年齢による影響を比較することを目的とした.</p><p>【方法】</p><p>地域在住高齢者で,要介護認定を受けておらず,屋内外の歩行が自立しており,認知機能の低下が無い者63名(年齢74.25±6.15歳)を対象とした.測定項目は年齢,通常速度での10m歩行テスト(10mWt),8の字歩行テスト(F8W),3mジグザグ歩行テスト(3ZW)とした.10mWtおよびF8W,3ZWはそれぞれ所要時間を2回測定し,その平均を測定値とした.統計学的解析には年齢を独立変数,10mWt,F8W,3ZWを従属変数としてSPSS Statistics 25にて単回帰分析を行った.有意確率は5%とした.</p><p>【結果】</p><p>10mWt,F8W,3ZWの平均値はそれぞれ3.58±0.75秒,5.26±1.25秒,4.67±1.06秒であった.年齢と10mWt,F8W,3ZWのそれぞれの回帰式および標準化係数はy=0.063x-1.131,β=0.521(p<0.05),y=0.112x-3.030,β=0.548(p<0.05),y=0.109x-3.452,β=0.634(p<0.05)であった.</p><p>【結論】</p><p>単回帰分析の結果,直線歩行および曲線歩行のどちらの能力も加齢により低下すると考えられる。その低下は年齢と10mWtおよびF8W,3ZWの標準化係数より,加齢による歩行能力の低下は直線歩行能力よりも曲線歩行能力の方がより大きいことが示唆された.</p><p> 今回の研究は横断研究であるため,今後は縦断研究により,これらの知見を検証したい.</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本研究は,平成29年度首都大学東京荒川キャンパス研究安全倫理委員会にて承認されており(承認番号17043),研究に参加した対象者に本研究に関する説明を十分行い,書面にて同意を得た.</p>
Journal
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- Congress of the Japanese Physical Therapy Association
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Congress of the Japanese Physical Therapy Association 46S1 (0), G-113_2-G-113_2, 2019
Japanese Physical Therapy Association(Renamed Japanese Society of Physical Therapy)
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390282763135269248
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- NII Article ID
- 130007693332
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- CiNii Articles
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- Abstract License Flag
- Disallowed