学習の視点からみた重度・重複障害児研究の展望

書誌事項

タイトル別名
  • Learning by Children With Profound and Multiple Disabilities: Review of Research
  • ガクシュウ ノ シテン カラ ミタ ジュウド ・ チョウフク ショウガイジ ケンキュウ ノ テンボウ

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抄録

<p>本稿の目的は、重度・重複障害児の学習とは何かを検討することである。学校現場では、重度・重複障害児は障害が重度で重複しているため指導目標や指導内容の設定が難しい、という意見が聞かれる。特別支援学校の教師は、何を学ばせればよいかわからない状況にあると推測される。しかし、障害が重度であっても、子ども自身が能動的に外界に働きかけて学習することが重要である。本稿では、重度・重複障害児の学習に関する研究動向を概観し、この領域において、学習がどのようにとらえられてきたかを検討した。そして、5つの観点から重度・重複障害児の学習に関する研究を分類整理した。すなわち、①かかわり手との関係、②認知発達と行動形成、③集団での学習、④共同注意、⑤生態心理学である。先行研究の内容から、どの観点で学習を検討する場合も、かかわり手の行動と学習する際の状況設定は重要であることが示唆された。さらに、今後の展望として、文化心理学の観点から、重度・重複障害児の学習について議論した。</p>

収録刊行物

  • 特殊教育学研究

    特殊教育学研究 56 (1), 33-46, 2018-05-31

    一般社団法人 日本特殊教育学会

参考文献 (46)*注記

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