実績指数とFIM運動項目との関連性について

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    医療法人社団俊聖会甘木中央病院

Bibliographic Information

Other Title
  • ~当院における回復期リハビリテーション病棟の課題~

Description

<p>【目的】</p><p>回復期リハビリテーション病棟(以下:回復期病棟)では質の評価が問われており,診療報酬改定では回復期病棟の評価体系に実績指数が組み込まれた.当院の回復期病棟では入院料Iを算定し目標とする実績指数は37以上であり,機能的自立度評価(以下:FIM)の向上ならびに早期の在宅支援が求められている.実績指数と運動FIM利得・在院日数との関連における報告は散見されるが,実績指数とFIMの各運動項目間の関連を検討した報告は少ない.そこで本研究において当院における回復期病棟の課題を明確にすることとした.</p><p>【方法】</p><p>平成30年6月から12月の間に当院回復期病棟へ入棟かつ退棟し,一般病棟や他病院への転棟・入院を除いた整形疾患患者75名(平均年齢80.3±13.9歳、男性13名、女性62名)を対象とした.実績指数とFIMの各運動項目との相関関係を調査した.相関関係の調査にはSpearmanの順位相関係数を用い,有意水準は5%未満とした.</p><p>【結果】</p><p>統計学的処理により,実績指数とFIMの運動項目であるトイレ動作(r=0.5)移乗(r=0.52),移動(r=0.53)階段(r=0.52),に正の相関を認めた.それ以外の項目において相関は認められなかった.</p><p>【考察】</p><p>当院回復期病棟入棟患者の実績指数に対し,FIM運動項目のトイレ動作・移乗・移動・階段の数値が影響していることが示唆された.当院においては、回復期病棟の入棟患者が整形疾患中心であり,早期における回復期病棟への移動、病棟リハ、退院前訪問指導ならびに紙面による在宅環境調査などを実施しているため,FIM運動項目のトイレ動作・移乗・移動・階段に対して影響を及ぼした可能性が示唆される。しかし今後の平均寿命の延伸にともなう複合的な疾患の増加が予測される中,回復期病棟基準を維持するために,FIM運動項目のトイレ動作・移乗・移動・階段の項目以外の改善も必要と考える.</p><p>よって,回復期病棟への入院前後7日間以内に実施する入院時訪問指導を行うなど,実際の環境や行っていた動作を早期に把握し,家屋環境に合った動作練習に繋げる取り組みや環境調整など早期におけるマネージメントが必要であると考える.本研究の今後の展開として脳血管疾患患者での実績指数の関連性検討など当院における課題を明確にし,回復期病棟基準の維持を目的とした病棟マネージメントの情報としたいと考える.</p><p> </p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本研究の計画立案・データの使用に際し,事前に所属施設の承認を得た(承認日令和元年5月2日).また対象者にはヘルシンキ宣言に則り倫理的配慮を行っており,個人に不利益が生じるない事を説明し同意を得ており,本研究は利益相反に関する開示事項はない.</p>

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Details 詳細情報について

  • CRID
    1390283659826850432
  • NII Article ID
    130007760827
  • DOI
    10.32298/kyushupt.2019.0_78
  • ISSN
    24343889
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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