<p> 現在、学校運動部活動は深刻かつ複雑な問題を多岐にわたり抱えている。それゆえ、外部指導者の活用、総合型地域スポーツクラブとの連携、複数種目制運動部の設置など、多くのイノベーションが提起され、政策的にも普及が推進されてきた。ところが、とりわけ複数種目制運動部については、生徒が有するニーズの充足や生涯スポーツへの寄与といった観点から必要性が提示されてきたが(中西・森, 2009; 松尾, 2014)、先進事例を除いてほとんどの学校体育経営組織には採用されていない。このように組織によるイノベーションの採用が遅々として進まない主たる要因として、組織構成員の態度が挙げられる(松尾,1998)。ただし、教員の職業的社会化研究の知見によれば、学校体育経営組織の構成員たる教員は、入職以前に一定の態度をすでに形成している可能性が高い。そこで本研究では、教員志望学生に対するインタビュー調査をもとに、複数種目制運動部に対する態度とそれに影響する要因を検討することを目的とする。分析の結果、組織文化などのいくつかの要因が抽出された。そして、それらの結果をもとに構築した仮説的分析枠組みを提示する。</p>
Japan Society of Physical Education, Health and Sport Sciences Conference Proceedings 70 (0), 191_2-191_2, 2019
Japan Society of Physical Education, Health and Sport Sciences