10保-12-口-18 国民学校令における養護訓導の養成制度について

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抄録

<p> 本報告は、文部省が養護訓導の量的確保を図る際に生じた質の問題について検討するものである。七木田文彦は養護訓導試験検定について、文部省が1943年度に検定科目を4科目から5科目へと増加したことは「試験検定による職務能力のハードルをあげている」と評し、また、既に学校に勤務している者の資格検定試験の条件に、「地方長官ノ特ニ適任ト認メタル者」に、「成績優良」と認められた者と追記修正したことなどをもって、「量的拡大を急ぎながらも、文部省は養護訓導免許状取得に際して一定の能力保持条件を求めている」と評している(「養護訓導の誕生と量的拡大過程」瀧澤利行・七木田文彦編集『雑誌「養護」の時代と世界』大空社、2015年)。養護訓導免許状取得条件の一つである看護婦資格の養成教育は、戦局の悪化に伴う看護婦払底のもと、厚生省が教育内容の割愛、資格年齢の引き下げによる看護婦の量的確保を図ったことで質の低下を招いた(亀井山美和子『近代日本看護史Ⅱ戦争と看護』ドメス出版、1984年)。看護婦資格養成の動向とも関連させて、養護訓導の量的確保を図ることが質の問題とどのように関係していたのか検討する。</p>

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  • CRID
    1390283659832118528
  • NII論文ID
    130007770511
  • DOI
    10.20693/jspehss.70.291_3
  • ISSN
    24241946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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