異なる記憶方略によるシーケンシャル記憶課題中のθ波脳律動の差異

説明

<p>【背景】シーケンシャルな記憶課題ではワーキングメモリが働くと考えられる。ワーキングメモリを構成する視空間スケッチパッドと音韻ループのいずれが優位に働くかは、記憶方略によって異なる。そこで視覚または音韻のいずれかの記憶方略に誘導するシーケンシャルな記憶課題実行中の脳磁場を計測し、主に後頭の活動を反映するθ波帯域脳律動(以下、θ波)の変調が記憶方略によってどのように異なるかを比較した。【方法】健常成人4名が、600ms間隔で呈示される記憶対象7つを順番通りに記憶する課題を実行した。記憶対象は「上下左右」4方向いずれかであるが、視覚条件では方向が丸の位置で表示され、音韻条件では文字で表示される。呈示の順番ごとに正答率を算出した。また、課題実行中の脳磁場を計測し、θ波振幅の時間変化を全センサで平均した。【結果と考察】θ波振幅は、各記憶対象の呈示に連動して増減し、7つのピークを持った。そこで、ピークの振幅と潜時を呈示の順番ごとに算出し、条件間で比較した。その結果、振幅は視覚条件で大きかったが、潜時は正答率が高いほうが短かかった。後頭の視覚処理が早く終了することが良好な記憶成績をもたらしたと解釈できる。</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual57 (Abstract), S259_1-S259_1, 2019

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390283659835272192
  • NII論文ID
    130007776772
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual57.s259_1
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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