地域高齢者における介護予防事業の効果〜地域社会資源への活動と参加への取り組み〜
-
- 加川 拓己
- 日扇会第一病院
抄録
<p>【目的】介護予防事業「元気アップ足腰しっかり運動教室」の介入効果、並びに地域への活動と参加継続に関して報告する。</p><p>【方法】対象は「基本チェックリスト」にて運動器の機能低下に該当した地域高齢者14名(男性6名、女性8名、平均年齢77.2±6.53)である。なおヘルシンキ宣言に基づき、事前に充分な説明を行い対象者の同意を得た上で評価・運動を実施した。期間はH30年12月〜H31年2月までの3カ月の間に全12回実施した。評価内容は2ステップテスト・立ち上がりテスト・ファンクショナルリーチ・Timed up & Goテスト(以下TUG)・5m歩行の5項目とし、介入効果確認の為に初回と三カ月後の2回評価を行った。運動内容はセラバンドを用いた座位下肢筋力強化、平行棒を使用した立位筋力強化、レッグプレスやエルゴメーター等を用いたマシントレーニング、屋外歩行訓練を実施した。また個別のホームエクササイズを作成し、実施するように促した。活動と参加に関してはグループワークを3回実施。事業終了後に何を行うかを具体化させ、地域の社会資源の情報伝達を行った。</p><p>【結果】身体機能面に関してはTUG・歩行速度・歩幅において介入後優位に改善を示した(P<0.05)。また活動と参加に関しては14名中10名が新たに地域の社会資源へ参加、3名は以前から参加していたグループを継続利用、1名は自主トレーニング継続の形となった。</p><p>【考察】身体機能面に関して歩行能力と動的バランスの向上が見られた要因として運動習慣の獲得が考えられる。毎週の開始時に実際に出来た内容・出来なかった内容をセラピストが確認、具体的なアドバイスを行ったことで運動習慣獲得に繋がったと考える。活動と参加に関しては1回目では「何に興味があるか」2回目は「それはどこで出来るのか」3回目は「終了後どこにいく・何をしていくか」を段階的に設定。住んでいる場所と近くの社会資源とのマッチングができた点が参加につながったと考える。</p>
収録刊行物
-
- 関東甲信越ブロック理学療法士学会
-
関東甲信越ブロック理学療法士学会 38 (0), P-004-, 2020
社団法人 日本理学療法士協会関東甲信越ブロック協議会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390283659837108480
-
- NII論文ID
- 130007779616
-
- ISSN
- 2187123X
- 09169946
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- CiNii Articles
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可