地域在住女性高齢者における身体機能と身体組成の関連性

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抄録

<p>【目的】加齢に伴い身体組成には変化が生じ,特に筋骨格系では骨格筋量の減少と脂肪量の増加が認められる.近年では骨格筋量減少と脂肪量増加を併せ持つサルコペニア肥満者において歩行障害や転倒のリスクが高いことが報告され問題となっている.そこで本研究では,地域在住女性高齢者の身体組成および筋力,身体機能について調査し,これらの関連を調査した.</p><p>【方法】地域在住女性高齢者501名(平均71.9±4.5歳)を対象に,身長,体重,骨格筋指数(SMI),体脂肪率,膝伸展筋力,握力,5m努力歩行時間,Timed up and Go test(TUG),Chair Stand Test(CST)を測定した.SMIと体脂肪率は生体インピーダンス法を用いて算出した.対象者は体脂肪率(肥満≧30%)とSMI(低筋量<5.7kg/m2)で健常群(162名),低筋量群(90名),肥満群(191名),低筋量/肥満群(58名)の4群にわけた.各測定項目の群間比較は,一元配置分散分析を用いて解析した.群間で有意差の見られた項目については,年齢を共変量とする共分散分析を用いて比較した.有意水準は5%とした.本研究は北里大学医療衛生学部倫理審査委員会の承認を得て実施した(承認番号:2016-G021B).</p><p>【結果】膝伸展筋力および握力は,健常群と比較して低筋量群と低筋量/肥満群が有意に低かった.歩行時間は,健常群と比較し肥満群と低筋量/肥満群で有意に延長していた.TUGは健常群と比較し肥満群と低筋量/肥満群で有意に時間が長く,CSTは健常群と比較し低筋量/肥満群が有意に延長していた.共分散分析でもこれらの結果は同様であった.</p><p>【結論】低筋量/肥満群では,低筋量群や肥満群よりも筋力・身体機能ともに低下していた.このことから,身体機能には,筋量だけでなく肥満度も影響することが示唆された.</p>

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  • CRID
    1390283659837360256
  • NII論文ID
    130007779561
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.38.0_o-049
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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