高校英語教諭への原職復帰を果たした伝導失語の一例

DOI Web Site 参考文献7件 オープンアクセス
  • 甲斐 祥吾
    社会福祉法人 農協共済 別府リハビリテーションセンター
  • 野村 心
    社会福祉法人 農協共済 別府リハビリテーションセンター
  • 吉川 公正
    社会福祉法人 農協共済 別府リハビリテーションセンター 遠賀中間医師会おかがき病院 リハビリテーション科
  • 中島 恵子
    帝京平成大学大学院 臨床心理学研究科

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Conduction Aphasia who Resumed Work as a High School English Teacher

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説明

<p>  失語症者の就労には種々の困難がみられ, 支援方法は確立されていない。今回, 高校英語教諭である伝導失語症例に外来で言語聴覚療法および就労支援を実施した。言語性短期記憶障害, 音韻性錯語が主症状であり, 週 1 回の言語治療には妻が毎回同席し, 職場へは書面にて経過を報告することで情報共有を図った。授業再開に向け, 教科書の本文にスラッシュを入れて文節を捉えやすくする, 低頻度語の漢字にはルビを打つという代償手段にて音読障害に対応した。リハビリ出勤には言語聴覚士が同席し, 上司や同僚と担当者会議を開催した。発症から 15 ヵ月後に 1 年生クラスという条件付きで原職復帰し, 現在 14 ヵ月が経過している。本症例の経験から, (1) 言語症状の特性を評価し, 場面に応じた代償手段を身につけること, (2) 周囲の理解を得るための説明を行うことにより, 伝導失語症例においても言語資源を多く活用する英語教諭への復職が可能であることが示された。</p>

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